
ユキワリソウの基本情報
雪割草はキンポウゲ科ミスミソウ属の多年草で日本には自生地が異なるミスミソウ、オオミスミソウ、スハマソウ、ケスハマソウの4種類がありこれらを総称して園芸的にユキワリソウと呼びます。温かい日光がさしたときだけ花を開き曇ったり寒いには花を開きません。落ち葉の間から他の花に先駆けて小さな花を咲かせ、春の訪れを告げるような姿から雪割草と名付けられています。花色は白、赤、黄、青、複色、絞り咲きなど変化が多いうえに花形も多様で葉の変化もあります。1株ごとに異なるといえるほど非常に多くの変異種があります。1株から次々と花を咲かせ環境が合えば丈夫な山野草です。
ユキワリソウの花言葉
「信頼」「自信」という花言葉は寒さに負けず雪の積もる厳しい冬に雪を割って咲くことから、冬を乗り越える力強さを感じさせる花言葉がつけられました。また「はにかみ屋」は雪の下から小さく控えめな花が恥ずかしそうに顔を出している様子からつけられたと考えられます。「優雅」や「高貴」という花言葉は小さい花ですが気高く品のある花姿に由来します。この他には「あなたを信じます」「内緒」「優雅」「和解」という花言葉があります。
ユキワリソウの基本情報科・属キンポウゲ科ミスミソウ属和名ユキワリソウ(雪割草)英名Hepatica学名Hepatica nobilis var.japonica原産地日本出回り時期2月~4月育てやすさ★★☆☆☆
ユキワリソウの種類・品種
オオミスミソウ:北陸地方から東北にかけて分布し雑木林の斜面や林床に自生します。白、ピンク、赤、紫と多彩な花を咲かせます。 ミスミソウ:「三角草」ともかき関東地方南部から九州地方にかけて分布する。オオミスミソウよりもやや小型で葉質が薄い スハマソウ:「州浜草」とかき東北地方から関東地方に分布する。全体的に小型で白から淡い桃色の花が多い ケスハマソウ:スハマソウに似ていますが葉に毛が生えています。本州の中部地方より西と四国に分布します。
ユキワリソウの育て方用土
市販の山野草用の培養土を使うか最近はユキワリソウ専用の培養土も販売されていますので手軽に利用できます。混合する場合は日向土1:鹿沼土1に小粒の軽石をまぜて水はけのよい用土にします。
種まき
花後に結実した種をとってすぐにまくと翌春に発芽します。種まきは親株と同じ用土でかまいません。苔が生えないように注意しながら開花までは3年ほどかかります。
苗の選び方
葉に斑点などがなく健全で株が充実したもの、品種確認の意味で札が付いているものを選ぶとよいです。どんな花かがわかるように開花している株や写真付きの苗を購入するのもよいでしょう
植え付け
植え付けは春の花後か秋の彼岸頃を目安に行います。主に落葉樹林の下に自生しているので芽吹いてから開花までは明るい日当たりのいい場所で、花後は風通しの良い半日陰や日陰で管理します。
水やり
斜面に自生しているので多湿を嫌います。鉢の場合は秋頃から開花までの成長期には完全に土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。花後は土の表面が乾いたら水をやり夏の高温時には過湿にならないように注意します。庭植えの場合も極端な乾燥は嫌うので晴天が続いたら水やりをたっぷりとしましょう。
追肥
春と秋に置き肥タイプの化成肥料を施します。花後から初夏にかけては1週間に1回、薄めた液体肥料を水やりのかわりにやりましょう。
病害虫
病気は葉にたくさんの斑点が出るさび病や白絹病、灰色かび病があります。放置しておくと葉が枯れて花が咲かなくなり、周囲に広がるので発見次第葉は切り取って処分します。また花がらや古い葉はこまめに取り除いておきましょう。害虫にはナメクジやアブラムシの被害があります。
さび病
葉の表面や裏に、白い小さな斑点が出たと思ったらその部分が盛上り、色が褐に変化します。その後表面の皮が破け、黄~赤茶色の粉末が飛び散ります。ひどい場合は葉全体を斑点が多い、葉が巻き上がるように縮みながら枯れてしまいます。
白絹病
おもな発生時期は6月から9月で、発生部位は根と茎です。カビ(糸状菌)による伝染病で、菌糸が網のように張り立ち枯れてしまう伝染性の病気です。菌が強いのでかかってしまった部位をそのままにしておいたり、よけてほかの所に置いておいたりしても、病原菌は土の中で越冬してしまうため、春に暖かくなってから活動しはじめてしまいます。発見したらほかの株とは分けて置き、すぐに焼却処分や廃棄処分をするようにしましょう。
灰色かび病
ボトリチス病とも呼ばれ、梅雨時期に特に発生します。花弁に褐色の小さなシミ状の斑点ができたり、茎や葉に灰色のカビが生えます。気温が度前半で雨が続くと発生しやすくなります。日当たりや風通しをよくすることが大切です。
ナメクジ
ナメクジは植物の葉やつぼみ、花びら、野菜の新芽などを食べます。主に夜間に活動するため日が落ちた後に確認すると見つけやすいです。葉や蕾、花も上を這うと這った後が残っています。見つけたら鉢底なども確認するとよいでしょう。大量に発生すると茎だけ残して葉を全て食べられてしまったり、葉が一部食べられて穴が開いても生長不良に繋がります。土の中にいることが多いため、植え替え時に点検したり、雨上がりにチェックすると比較的見つけやすいです。
アブラムシ
アブラムシは3月から5月に多く発生する害虫です。新芽や茎、若い葉や葉の裏にくっついて吸汁して株を弱らせます。春から秋に発生するので見つけ次第、駆除しましょう。
ユキワリソウの育て方|まとめ
・植え付けは地植えよりも植木鉢で栽培するのが無難。
・芽吹いてから開花までは明るい日当たりのいい場所で、花後は風通しの良い日陰で管理。
・水やりは多湿を嫌いますので完全に土の表面が乾いたらたっぷりとやるのがポイント。
・病気予防のために花がらや古い葉はこまめに取り除き、葉に病気の兆候のような斑点が出たら発見次第切り取って処分しましょう。
ユキワリソウのその他色々ユキワリソウの増やし方
ユキワリソウは株分けで増やすのが最も簡単で確実です。種でも増やせますが親と同じ花が咲くとは限りません。株分けの時期は春の花後か秋の彼岸頃の植え替えに合わせて行います。大株にすると高温時に病気にかかって株が全滅する可能性があるので、3~5芽程度の軽く手で引っ張ったらわかれる程度に分け4号鉢に植えます。無理をして細かく分けないように注意しましょう。
新潟県の草花に指定されるユキワリソウ
北陸地方の中でも特に新潟県はユキワリソウの自生地として有名で全国的にみても栽培が盛んです。県内ではユキワリソウに関する多くのイベントが開かれ全国から愛好家が集まります。たとえば「雪割草新潟大会」や「雪割草まつり」などの展示会や即売会が3月下旬から4月上旬にかけて各所で開かれます。
ユキワリソウの夏越し
ユキワリソウは夏の暑さが苦手ですが逆に夏を越せれば栽培はうまくいったといえます。夏越しの要点はまず5月中旬から10月頃までは直射日光が不要です。自生地でも周囲を草に囲われて光があたらなくなっていますので遮光ネットをかける場合は100%の遮光が理想的です。また夏場の肥料は不要です。水やりも乾いたら早朝か夕方にたっぷりやるようにし、毎日やる必要はありません。